テクノロジー & コンセプト
私たちの新しい試みとして、私たちの技術にデザイン・アート的な要素を取り入れ、実験的なプレゼンテーション、モックアップ、アイディア出しといったコンセプトワークに取り組んでいます。
風の新しい見せ方・感じ方のスタディや、風を使ったエンターテイメントの試作、風のアートなど、エンジニアリングの枠を越えたアプローチが、私たちの技術の付加価値を高めるだけでなく、風と係る暮らしの価値を高めるために重要であると考えます。少しずつではありますが、こうした取り組みを通して、もう少しだけ先の未来の「風と暮らしのありかた」が見えてくるよう、日々模索しています。
風と暮らしのあり方の
未来を考える
私たちの技術にデザイン・アート的な要素を取り入れる実験的な試みは、風と暮らしの新しい関係性について模索することに繋がっています。弱風や強風は暮らしにおける課題となり得ますが、その間にある「心地よい風」とも連続的につながっています。風の感じ方は人や地域によっても異なり、見せ方ひとつで印象が変わることもあり、ときに詩的に語られることもあることから、エンジニアリングだけでは語りきれない要素が、風にはあります。
風が持つ心地のよい曖昧さに触れるためには、エンジニアリングとデザイン・アートの境界を横断することが重要です。その先には、少し先の未来の風と暮らしのあり方が見えてくることを、期待しています。
ANEMONE -風で育てる花-
第一回フェーズフリーアワード(PHASE FREE AWARD 2021)入選作品。ほどよい風を与えることで育っていく花のオブジェの提案です。
フェーズフリーとは、日常時にも非日常時にも活用できるモノやコトについての考え方です。ANEMONEを育てることで、育てる人の風に対する意識も育っていきます。
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フェーズフリーな性質
「育てる」ことは、日々の楽しみの一つであると同時に、将来に備えることでもあります。台風による人的被害は、雨を伴わない、いわゆる風台風のときに多くなるという調査結果があります。風は目に見えないないために、意識しにくいものです。ANEMONEは、育てる楽しさを与えてくれるとともに、風に対する意識も育ててくれます。
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風を使って育てる
花を風で育てるという少し変わった楽しみを体験できます。
風に応じて変化する光も日常の楽しみです。同時に、育てる人の風に対する意識も育っていきます。 -
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防災意識を高める
日常的に育ててきた風に対する意識が、強風災害に対する防災意識も高めます。
ANEMONEは花びらの光り方や揺れ方で強風を見た目で知らせてくれるとともに、アプリで通知もしてくれます。
WINDSIL
実在都市空間全体のリアルタイムな風向風速をWeb上で3D表現することができるアプリケーションです。私たちが長年培ってきた数値流体解析と風観測の技術・ノウハウと、デザイナーによるWebデザインを組み合わせて、風向風速の新しいビジュアル表現を試みました。
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実在都市空間全体のリアルタイムな風向風速分布
数値流体解析の結果と、ドップラーライダによる上空風観測データを組み合わせることで、過去~現在の都市全体の3次元の風向風速をWeb上に表現しています。見る高さや時間を選択することで、過去の強風日などにおける風向風速分布を把握し、今後の防災などに役立てることができます。
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WebGLを用いた3D表現
Webブラウザ上で3次元グラフィックを高速に描画することができるWebGLの技術を用いて、アプリケーションをインストールすることなく、Web上で風向風速の3次元分布を閲覧することができます。ビジュアル表現にもこだわり、高品質なプレゼンテーションを提供します。
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APIによるデータ取得
観測データや解析データはAPIサーバのデータベースに保存されており、APIリクエストによって各端末からアクセスすることが可能です。これにより、アプリの開発や他サービスとの連携を可能にします。